KIXで出会えるアート ~KIX CULTURE GATE Project 第3弾~

KIXカルチャーゲートプロジェクト

世界中からのお客さまが行き交う関西国際空港(KIX)を拠点に、関西・日本の多彩で豊かな文化を発信する「KIX CULTURE GATE Project」。

今回は、初めて第1ターミナルビル内での展示を実施。2階国内線エリアの通路壁面をアートで彩り、空港という移動拠点施設から、アートを通して文化の魅力を発信します。

出展するのは関西と多様な縁を結ぶ11名のアーティスト。それぞれの個性が光る作品が空港に彩り新しい発見をもたらします。

空港を文化発信の場として進化させるための一歩として、KIX CULTURE GATE Projectは今後も、空港の魅力を高め、旅にわくわくするような体験を提供してまいります。

松村 咲希 / SAKI MATSUMURA
品川 美香 / MIKA SHINAGAWA
香月 美菜 / MINA KATSUKI
大澤 巴瑠 / HAL OSAWA
浜崎 健 / KEN HAMAZAKI
BAKIBAKI
指江 昌克 / MASAKATSU SASHIE
たかくら かずき / TAKAKURA KAZUKI
本橋 孝祐 / KOSUKE MOTOHASHI
小池 一馬 / KAZUMA KOIKE
四代 田辺竹雲斎 / Tanabe Chikuunsai IV

ART WORKS

松村 咲希 / SAKI MATSUMURA

Reflecting Colors 2

本作品は、日本の自然環境を背景に、刻々と変化する空と水の表情を色と形に託して描きました。水の流れを思わせる形や色の響き合いは、循環する自然や移ろいゆく風景と時間を象徴しています。旅や帰路の途中にある皆さまにとって、この作品が日本の自然を感じるきっかけや、心に残る風景を呼び起こすきっかけとなれば幸いです。

松村 咲希 / SAKI MATSUMURA Instagram

1993年長野県生まれ、京都在住。2017年京都造形芸術大学修士ペインティング領域修了。世界を感じる認識や感覚、その不可思議さを絵画として制作。平面作品特有の錯覚や歪みのある空間は、「現実とのズレ」を再認識させ、現実世界の風景からは感じない、多次元的なイマジネーションをも膨らませる。

品川 美香 / MIKA SHINAGAWA

その鳥の名前は知らなくても / even if we don’t know the name of that bird.

この作品は、子育てと絵を描き続けることの両立を模索しながら、日々の暮らしの中でセンスオブワンダーを探すことがテーマになっています。作品のタイトル「その鳥の名前は知らなくても」は、米国の生物学者であり作家のレイチェル・カーソンの著書『センス・オブ・ワンダー』の「たとえあの鳥の名前を知らなくても、感じることが大切だ」という内容に励まされ、参照し名付けました。私自身が母でありアーティストであることの肯定、それ以外の選択をする事の否定ではなく、それぞれの選択の尊重につながれば、という思いで描きました。

品川 美香 / MIKA SHINAGAWA Instagram

1988年熊本県生まれ。2016年京都造形芸術大学大学院修士課程修了。現在は京都を拠点に活動。わからないことや解決が難しい物事について考えるために、「私とは何か、人間とは何か」というテーマを軸に、子ども、スカル、隕石、山、植物、昆虫などの、作家が選んだ象徴的な記号を組み合わせながら、見る者によってあらゆる解釈が可能となる絵画を描く。

香月 美菜 / MINA KATSUKI

2:16:52

私の作品は絵具を見るための絵画だ。絵具の存在を表現するために一筆書き(one stroke)で完成させる、自分の感情の表現や描く行為を最小限に抑えた方法で制作している。目の前に広がる山のような大量の絵具を一筆で引き延ばすときに、私は絵具を制御しようするが絵具はまるで生きているかの様に反発してくる。白いキャンバス上では何ものにでもなれる、自由で不明瞭な絵具とのぶつかり合いを何百回も繰り返していく中で、その瞬間の季節、温度、光などが、私の身体を通り痕跡として絵具に現れることに気がついた。各々の道を極め真理に辿り着いた先人達が見た景色を私も見るために、今日も私は身体を整え、絵具と対峙していく。

香月 美菜 / MINA KATSUKI Instagram

福岡県生まれ。2016年 京都造形芸術大学大学院 芸術表現専攻ペインティング領域修了。フィリピン居住時の日本文化への憧れから、日本の抽象絵画に興味を抱く。375色の青を調合し、最小限の行為「一筆書き(One stroke)」のみで完成させるルールを定め「絵具」を主題に制作。国内外での展示、アートフェア、企業コレクション等多数。

大澤 巴瑠 / HAL OSAWA

『onomatopoeia』

コピー機にインクを垂らし偶然に立ち現れる図像を印刷し、その印刷物をキャンバスに肉筆で描く。複製装置を介しながら一回性を宿す行為は、コピーでありながらオリジナルであるという矛盾を抱える。ヴァルター・ベンヤミンが「複製可能な芸術はアウラを失う」と論じたのに対し、この作品はむしろ複製によってアウラを生じさせている。肉筆の筆致は人間の不完全性や不可能性を画面に仮託し、その揺らぎを可視化する。

大澤 巴瑠 / HAL OSAWA Instagram

1997 東京都生まれ
2020 多摩美術大学美術学部油画科 卒業
2022 京都芸術大学大学院修士課程芸術研究科美術工芸領域油画専攻 修了
【SOLO EXHIBITION】
2022 MEDEL GALLERY SHU『ERROR』
2022 MtK contemporary Art(.S 店舗内)『mtk+vol.10 大澤巴瑠』
2023 GALLERY ROOM・A 『光』
2024 ART OSAKA 2024 biscuit gallery 『DISCHARGE』
2025 銀座蔦谷 アートウォール 「『いま』『ここ」にしかない』

浜崎 健 / KEN HAMAZAKI

IFP#258 ANA1737 KIX→OKA 31AUG GATE↑

関西国際空港ターミナル1の国内線発着フライトの機内で描いた作品です。

浜崎 健 / KEN HAMAZAKI Instagram

全身を真っ赤な衣装で包み、大阪では「赤い人」として知られるアーティスト。
1992年より真っ赤なギャラリー「Red Gallery」をオープン。
1997年に移転し「浜崎健立現代美術館」を開館。
現在は「飛ぶ」「寝る」「座る」をコンセプトに活動している。
「飛ぶ」は"In-Flight Painting"という飛行機の中で空を飛んでいる間に宇宙に一番近いアトリエで作品を仕上げるという、まさに「地に足つかないアーティスト」。
「寝る」は"In-Sleep Drawing=寝画"という毎日寝ながら作品を描くという究極の抽象画で、これはまさに「夢を売る芸術家」。
「座る」は茶人丿貫(へちかん)を継承し、丿健(へちけん)の名で"Red Tea Ceremony -YOU ARE GOD-"と称した茶道のパフォーマンスを国内外様々な場所で披露しており、中でも毎年アメリカ・ネバダの砂漠で開催されるアートイベント「バーニングマン」ではイベントのアイコンとして度々取り上げられている。

BAKIBAKI

希望の系譜 / Lineage of Hope

1970年に出版された「奇想の系譜」にて、前衛画家として再評価された歌川国芳。彼の「讃岐院眷属をして為朝をすくふ図」を元絵にしたこの作品は、伝統的な和柄をサブカルチャーと融合させたBAKI柄と結び付け、大阪湾を臨む夢洲に描いた。ミューラル (壁画) が根付き難かった日本の風土だが、大阪を中心に変わりつつある。浮世絵から漫画、そして席画から壁画へ。大衆芸術を起点に開国前夜の原石を改めて磨く事で、世界に異彩を放つであろう。先人達から賜った希望が、万国の来場者との文化交流になることを祈願して。

BAKIBAKI Instagram

1978年、大阪生まれ。日本のサブカルチャーに着想を得て、古来の紋様を現代的にアップデートした《BAKI柄》は、21世紀を代表する和柄を志向している。
クラブやフェスなど音楽の現場におけるライブペインティングをルーツとしつつ、現在は建物の外壁画/パブリックアートに注力し、国内外で活動を展開している。

指江 昌克 / MASAKATSU SASHIE

シンボル (園) / SYMBOL (園)

企業の看板の断片や、かつてそのロゴを形づくっていた文字が分解され、再構成されたとしても、私たちの記憶に刻まれた風景によって支えられた共通の認識は持続している。
その象徴性は今もなお残る。

指江 昌克 / MASAKATSU SASHIE Instagram

都市に潜む断片的なイメージを再構成し、記憶と時間の層を内包する球体都市を象徴的に描く。
金沢を拠点に、国内外で作品を発表している。

たかくら かずき / TAKAKURA KAZUKI

AI AM YOU 2025. 夏 / AI AM YOU 2025. SUMMER

AIが登場し、人間と機械の新たな関係が問われる中で、過程や結果のようなものについて考えることが増えた。仏教では、六道輪廻と呼ばれる六つの世界を魂は輪廻し続ける。それは、始まりと終わりのある一方向的な時間軸ではなく、繰り返しながら変化し続ける時間軸だ。神道における常世は、海の向こうの無限遠的な距離感を持つ場所であり、そこから誰かがやってきたり、旅立ったりする。遥か遠くの海の向こうを思う無限遠的な感覚と、繰り返される循環的な時間感覚。これは、僕が普段触れているデジタル世界の感覚にも共通する。

たかくら かずき / TAKAKURA KAZUKI Instagram

アーティスト。東京造形大学大学院修士課程修了。ArtistFairKyoto 2021優秀賞。ビデオゲームやピクセルアートなどのデジタル表現を使用し、東洋思想による現代美術のルール書き換え、デジタルデータの新たな価値追求、キャラクターバリエーションの美学をテーマに作品を制作している。主な作品に、阪急うめだコンコースウィンドーに展示された『炎上不動明王』や、うめきたグリーンプレイスに設置されているパブリックアート『1/YOU/0』など。

本橋 孝祐 / KOSUKE MOTOHASHI

無常の輪 / The Circle of Impermanence

「無常の輪」は、トイレットペーパーで円を描く版画シリーズ。日常の消耗品であるトイレットペーパーを用いて、日本的宇宙観の象徴である「円(円相)」を描き、「この世のすべては儚く流れやすい」という無常の真理を表現している。出会った人と共にトイレットペーパーの版画を制作し、一期一会を分かち合う参加型アート運動「Quantumism」としても展開している。

本橋 孝祐 / KOSUKE MOTOHASHI Instagram

現代アーティスト、KIX CULTURE GATE Project 企画・キュレーション。 1989 年兵庫県生まれ。立命館大学卒業後、東京を拠点に活動。本橋は「真実 - 確かなもの、受け入れざるを得ないこと、信じる対象- とは何か」ということをテーマに、絵画・立体作品・インスタレーションなど多岐にわたる表現を行う。国内外での展示に加え、アートを社会に実装する「社会彫刻」としてのプロジェクトも手がけ、芸術の新たなあり方を探求する。

小池 一馬 / KAZUMA KOIKE

BC240610, BC240604, BC240614, BC240616

「異なる要素が調和しながら共存した状態」や「モノの用途や意味が変化する過程」への関心のもと、様々な時代や場所に由来する神々や人間、動植物のモチーフをミックスして「架空の古代遺物」としてセラミック彫刻を制作しています。
素材には黒土と黒釉を用いており、作品タイトルは「BC240610」のように、BC(Black Clay 黒土)と6つの数字(造形完了年月日)のみで構成されてます。無彩色な仕上げや無機的なタイトルには、モチーフとなったイメージに付随する情報を削除し、作品を開放する意図があります。

小池 一馬 / KAZUMA KOIKE Instagram

1980年神奈川県生まれ。大阪府在住。幼少期をブエノスアイレス、高校時代をバルセロナで過ごす。これまでに東京、大阪、京都、香港、ニューヨーク、パリのギャラリーで個展を開催している。

四代 田辺竹雲斎 / Tanabe Chikuunsai IV

CONNECTION –GODAI–

オドゥンパザル近代美術館(Odunpazarı Modern Museum, OMM)は、トルコ・エスキシェヒルにてコレクター、エロール・タバンジャ氏によって設立されたプライベート美術館である。オープニング展「The Union」では、同氏のコレクションから絵画・彫刻・メディアアートなど約90点が紹介された。
本展のメインホールに設置されたインスタレーション《GODAI》は、万物を構成する五つの要素――地・水・火・風・虚空――を主題とし、それらが交差し天へと昇華する様相を表現している。現在は同館の常設作品として展示され、エスキシェヒルに息づく人々の温かな気質や、歴史を纏いつつ鮮やかに彩られた街並み、自然と文化の調和を背景に、日本とトルコ、伝統と革新、人と自然が未来へとつながるエネルギーを象徴している。

四代 田辺竹雲斎 / Tanabe Chikuunsai IV Instagram

大阪・堺生まれ。東京藝術大学美術学部彫刻科卒業後、父である三代竹雲斎に師事し、2017年に四代を襲名。代々の技術を受け継いだ工芸作品を制作しながら、自然と人の融合や生命の循環をテーマに現代的オブジェやインスタレーションを展開し、世界各地で活躍している。

アーティスト・作品についてのお問い合わせ:hams@hongo-aerospace.com