Reflecting Colors 2
本作品は、日本の自然環境を背景に、刻々と変化する空と水の表情を色と形に託して描きました。水の流れを思わせる形や色の響き合いは、循環する自然や移ろいゆく風景と時間を象徴しています。旅や帰路の途中にある皆さまにとって、この作品が日本の自然を感じるきっかけや、心に残る風景を呼び起こすきっかけとなれば幸いです。


世界中からのお客さまが行き交う関西国際空港(KIX)を拠点に、関西・日本の多彩で豊かな文化を発信する「KIX CULTURE GATE Project」。
今回は、初めて第1ターミナルビル内での展示を実施。2階国内線エリアの通路壁面をアートで彩り、空港という移動拠点施設から、アートを通して文化の魅力を発信します。
出展するのは関西と多様な縁を結ぶ11名のアーティスト。それぞれの個性が光る作品が空港に彩り新しい発見をもたらします。
空港を文化発信の場として進化させるための一歩として、KIX CULTURE GATE Projectは今後も、空港の魅力を高め、旅にわくわくするような体験を提供してまいります。
ART WORKS

本作品は、日本の自然環境を背景に、刻々と変化する空と水の表情を色と形に託して描きました。水の流れを思わせる形や色の響き合いは、循環する自然や移ろいゆく風景と時間を象徴しています。旅や帰路の途中にある皆さまにとって、この作品が日本の自然を感じるきっかけや、心に残る風景を呼び起こすきっかけとなれば幸いです。

この作品は、子育てと絵を描き続けることの両立を模索しながら、日々の暮らしの中でセンスオブワンダーを探すことがテーマになっています。作品のタイトル「その鳥の名前は知らなくても」は、米国の生物学者であり作家のレイチェル・カーソンの著書『センス・オブ・ワンダー』の「たとえあの鳥の名前を知らなくても、感じることが大切だ」という内容に励まされ、参照し名付けました。私自身が母でありアーティストであることの肯定、それ以外の選択をする事の否定ではなく、それぞれの選択の尊重につながれば、という思いで描きました。

私の作品は絵具を見るための絵画だ。絵具の存在を表現するために一筆書き(one stroke)で完成させる、自分の感情の表現や描く行為を最小限に抑えた方法で制作している。目の前に広がる山のような大量の絵具を一筆で引き延ばすときに、私は絵具を制御しようするが絵具はまるで生きているかの様に反発してくる。白いキャンバス上では何ものにでもなれる、自由で不明瞭な絵具とのぶつかり合いを何百回も繰り返していく中で、その瞬間の季節、温度、光などが、私の身体を通り痕跡として絵具に現れることに気がついた。各々の道を極め真理に辿り着いた先人達が見た景色を私も見るために、今日も私は身体を整え、絵具と対峙していく。

コピー機にインクを垂らし偶然に立ち現れる図像を印刷し、その印刷物をキャンバスに肉筆で描く。複製装置を介しながら一回性を宿す行為は、コピーでありながらオリジナルであるという矛盾を抱える。ヴァルター・ベンヤミンが「複製可能な芸術はアウラを失う」と論じたのに対し、この作品はむしろ複製によってアウラを生じさせている。肉筆の筆致は人間の不完全性や不可能性を画面に仮託し、その揺らぎを可視化する。

関西国際空港ターミナル1の国内線発着フライトの機内で描いた作品です。
全身を真っ赤な衣装で包み、大阪では「赤い人」として知られるアーティスト。
1992年より真っ赤なギャラリー「Red Gallery」をオープン。
1997年に移転し「浜崎健立現代美術館」を開館。
現在は「飛ぶ」「寝る」「座る」をコンセプトに活動している。
「飛ぶ」は"In-Flight Painting"という飛行機の中で空を飛んでいる間に宇宙に一番近いアトリエで作品を仕上げるという、まさに「地に足つかないアーティスト」。
「寝る」は"In-Sleep Drawing=寝画"という毎日寝ながら作品を描くという究極の抽象画で、これはまさに「夢を売る芸術家」。
「座る」は茶人丿貫(へちかん)を継承し、丿健(へちけん)の名で"Red Tea Ceremony -YOU ARE GOD-"と称した茶道のパフォーマンスを国内外様々な場所で披露しており、中でも毎年アメリカ・ネバダの砂漠で開催されるアートイベント「バーニングマン」ではイベントのアイコンとして度々取り上げられている。

1970年に出版された「奇想の系譜」にて、前衛画家として再評価された歌川国芳。彼の「讃岐院眷属をして為朝をすくふ図」を元絵にしたこの作品は、伝統的な和柄をサブカルチャーと融合させたBAKI柄と結び付け、大阪湾を臨む夢洲に描いた。ミューラル (壁画) が根付き難かった日本の風土だが、大阪を中心に変わりつつある。浮世絵から漫画、そして席画から壁画へ。大衆芸術を起点に開国前夜の原石を改めて磨く事で、世界に異彩を放つであろう。先人達から賜った希望が、万国の来場者との文化交流になることを祈願して。

企業の看板の断片や、かつてそのロゴを形づくっていた文字が分解され、再構成されたとしても、私たちの記憶に刻まれた風景によって支えられた共通の認識は持続している。
その象徴性は今もなお残る。

AIが登場し、人間と機械の新たな関係が問われる中で、過程や結果のようなものについて考えることが増えた。仏教では、六道輪廻と呼ばれる六つの世界を魂は輪廻し続ける。それは、始まりと終わりのある一方向的な時間軸ではなく、繰り返しながら変化し続ける時間軸だ。神道における常世は、海の向こうの無限遠的な距離感を持つ場所であり、そこから誰かがやってきたり、旅立ったりする。遥か遠くの海の向こうを思う無限遠的な感覚と、繰り返される循環的な時間感覚。これは、僕が普段触れているデジタル世界の感覚にも共通する。

「無常の輪」は、トイレットペーパーで円を描く版画シリーズ。日常の消耗品であるトイレットペーパーを用いて、日本的宇宙観の象徴である「円(円相)」を描き、「この世のすべては儚く流れやすい」という無常の真理を表現している。出会った人と共にトイレットペーパーの版画を制作し、一期一会を分かち合う参加型アート運動「Quantumism」としても展開している。

「異なる要素が調和しながら共存した状態」や「モノの用途や意味が変化する過程」への関心のもと、様々な時代や場所に由来する神々や人間、動植物のモチーフをミックスして「架空の古代遺物」としてセラミック彫刻を制作しています。
素材には黒土と黒釉を用いており、作品タイトルは「BC240610」のように、BC(Black Clay 黒土)と6つの数字(造形完了年月日)のみで構成されてます。無彩色な仕上げや無機的なタイトルには、モチーフとなったイメージに付随する情報を削除し、作品を開放する意図があります。

オドゥンパザル近代美術館(Odunpazarı Modern Museum, OMM)は、トルコ・エスキシェヒルにてコレクター、エロール・タバンジャ氏によって設立されたプライベート美術館である。オープニング展「The Union」では、同氏のコレクションから絵画・彫刻・メディアアートなど約90点が紹介された。
本展のメインホールに設置されたインスタレーション《GODAI》は、万物を構成する五つの要素――地・水・火・風・虚空――を主題とし、それらが交差し天へと昇華する様相を表現している。現在は同館の常設作品として展示され、エスキシェヒルに息づく人々の温かな気質や、歴史を纏いつつ鮮やかに彩られた街並み、自然と文化の調和を背景に、日本とトルコ、伝統と革新、人と自然が未来へとつながるエネルギーを象徴している。