リレーインタビュー旅人に聞いた、次の旅でしたいこと
リレーインタビュー旅人に聞いた、次の旅でしたいこと
藤井利佳(fujii_rika)
Interview
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Vol.
5
Interview
Vol.
5
ミツバチワークス株式会社 取締役
GENIC編集長
藤井利佳さん
今回のリレーインタビューは、ミツバチワークス株式会社の取締役で雑誌『GENIC』および『GENIC WEB』の編集長を務める藤井利佳さんにご登場いただきます。切っても切り離せない関係にある「カメラと旅」。旅先で撮影する楽しさを常に提唱してきた藤井さんに、コロナ禍でのメディアのあり方やプライベートでの旅行スタイル、これからの旅の役割などをお聞きします。
藤井利佳(fujii_rika)_写真
もともとラジオ番組制作からキャリアをスタートした藤井さん。WEBメディアや
イベントプロデュースなど、女性向けコンテンツを数多く手掛けてきた。
「一瞬ナーバスになった旅の発信。
でも私たちのメディアの役割は、
人にきっかけを作ることだから」
普段されているお仕事について、ご紹介をお願いいたします。
カメラとトラベルのライフスタイルマガジン『GENIC』の編集長として、雑誌とWEB、そしてSNSまわりを統轄しています。ターゲットは、写真を撮ることや発信することが好きで、旅行やおでかけが好きな人たち。撮ったり発信したりすることはイコール自分を表現することで、それってとっても素晴らしいことだよ、ということを読者の方に伝えていくのが私のミッションです。
藤井利佳(fujii_rika)_写真
藤井さんが編集長を務める『GENIC』は3カ月ごとに発行する季刊誌。こちらの
幻想的な表紙の写真は、アメリカ・ニューメキシコ州にあるホワイトサンズ。
『GENIC』の編集方針に、新型コロナの影響はありましたか?
雑誌自体は毎号旅に特化しているわけではありませんが、WEBは毎日更新しているので、去年の4月くらいはとてもナーバスになっていました。例えば、当時感染が拡大していたイタリアの観光スポットを紹介していいのか、それをすることで読んでくれる人が果たして楽しいのか、自問自答しました。ただ、私たちが作っているのはガイドブックではない。美しいイタリアの写真を見て、いつかここに行ってみたいと思ってくれて、読者にとって新しい希望やきっかけになればいい。そんな風にいつも考えていたことを、編集部のメンバーとも再認識し、WEBでもインスタグラムでも変わることなく旅の写真を中心に投稿を続けることにしました。
雑誌の2021年1月号でも、「旅」をテーマにされていました。
私たちはもともと「表現」や「表現する人の想い」を大切にしており、旅について語らせたらもう止まらない、という人たちとたくさんお仕事をしてきました。そんな人たちにいつか焦点を当てたいと思っていて、やっと2021年1月号で実現することができました。「100人の『旅という表現』」というテーマで、モデルやアーティスト、業界関係者など、それぞれの方のオンリーワンな旅スタイルを紹介しています。100人に取材しようと決めたことを途中少し後悔しましたが・・・(笑)、改めて旅の仕方は百人百様だと認識しました。
藤井利佳(fujii_rika)_写真
「あなたにとって、旅とは何ですか?」を問いかける特集。読者にとって有益な
情報となるよう、国内のローカルな旅先にもスポットを当てた内容になっている。
「ちょっとした感情も大切にしたいから
旅の写真や想いはすぐにまとめておく」
藤井さんの旅のスタイルについても教えてください。
国内旅行の場合は、「宿」を目的に旅することが多いです。観光はついでにするくらい。気になった宿があればどこへでも行く。そして、移動時間が大好きなんです。移動した瞬間から旅が始まっていて、例えば空港でも、飛行機の中でも、頭の中はこれから行く宿のことでいっぱいで、ギリギリまでひたすら予習しています。あとで「えー、こんなホテルのサービスあったんだ」と後悔するのが嫌じゃないですか(笑)。だから、個人の方が書いたブログも、私にとっては貴重な情報源で隅々まで読み漁ります。そして旅の帰り道では、すぐに写真の整理やレタッチを行い、旅先での感情が抜けてしまう前に発信したい内容をまとめています。
藤井利佳(fujii_rika)_写真
天草への旅の途中、わざわざ九州の観光列車「A列車で行こう」を予定に
組み入れるほど移動が好きな藤井さん。片道7時間の国内移動も余裕だそう。
さすが編集長!という印象です(笑)
私にとって「旅」は日常なんです。季刊の雑誌編集をやっていると、ライフスタイルは3カ月間サイクルで進行していて、それがメトロノームの音のように毎回きっちりやってくる。3カ月の間、がーっと働いて、校了したら旅に出る。この繰り返しです。途中、中間地点でだいたい1度はリフレッシュのために温泉にも行きます。こうした「旅」を含んだサイクルが、私の日常。それが、去年の最初の緊急事態宣言の時、校了後に旅に行けなくて、サイクルが乱れた時がありました。その時に「あ、私にとって旅って日常だったんだ」って実感したんです。生きていくのに欠かせないものなのだと思いました。
藤井利佳(fujii_rika)_写真
藤井さんが国内で好きな場所のひとつに挙げてくれた大分県由布院の由布岳。関西の
空港からだと大分空港まで1時間くらいなので、特におすすめとのこと。
「オンとオフ、スイッチのある旅が好き。
刺激と癒し、どちらも私には必要だから」
藤井さんが日本で一番だと思うおすすめの宿を教えてください。
一番を決めるのは本当に難しいのですが、私は大分県の由布院が大好きで、その中では「山荘無量塔(むらた)」がおすすめです。客室数は12しかないのですが、茶寮やバー、アートミュージアム、ショコラショップなど、館内施設がとても充実していて、ホテルにいるだけでも十分に楽しめる。旅をしている最中に、日々では味わえない自分の中のスイッチが入るっていいですよね。ここは刺激があるからオンにもなれるし、部屋でゆっくり寛いでオフにもなれる。旅先での時間、ほとんど宿で過ごす私にとって、山荘無量塔はここだけで旅が完結できるのが魅力です。
藤井利佳(fujii_rika)_写真
由布院御三家のひとつ、山荘無量塔。「ここのスタッフはホテルのことを
熟知していて、瞬時に最適なおもてなしを提供してくれるのが素晴らしい」。
そんな山荘無量塔で、一番お気に入りの場所はどこですか?
「Tan’s bar」ですね。昼はビジターの方でも利用できますので、他の宿に泊まる方もぜひ足を運んでみてください。ただ、やはりお酒がおいしいのは夜(笑)。18時以降は宿泊者専用のバータイムになるのですが、バカラの重厚感のある立派なグラスでいただくシャンパンは最高の贅沢です。あと、ここのスピーカーはアメリカの劇場などで使われている本格仕様で、ジャズを中心にした選曲がとても心地がいい。なんというか、もう五感で楽しめる空間になっています。
藤井利佳(fujii_rika)_写真
贅沢な空間に、良質のお酒と音楽。1杯700円〜という良心的な
価格もあり、昼間からついつい飲み過ぎてしまうのも納得!?
「これからきっと私が主役のドラマが始まる!
そんなワクワクを空港で楽しんでいる」
藤井さんにとって空港とは?
移動が好きな私にとって、空港は旅物語のスタート地点。空港にいるみんながドラマを持っていそうだし、特に初めて関西国際空港から海外に行った時は、チェックインから搭乗まで心地の良い緊張感があったのを覚えています。今でも、搭乗を待つ時間がとても好きです。空港に行くと自分がドラマの主人公になった気分がしませんか?旅している自分に酔えるというか(笑)。あと私は搭乗ギリギリまでショッピングを楽しみたいタイプなので、新しくなった大阪国際空港の商業エリアに注目していますね。保安検査場を通ったあとでもギリギリまで買い物できるのに加えて、関西の有名なレストランなどでお食事ができるのはとても嬉しいですよね。
藤井利佳(fujii_rika)_写真
行けるようになったら、もちろん海外にも行きたい。東南アジアには泊まってみたい
リゾートがまだまだたくさんある。でも最初の海外は大好きなハワイがいいかな(笑)
「旅は変わった。自分も変わった。
そんな変化をむしろ楽しんでいきたい」
これから「旅」はどういう存在になっていくのでしょうか?
コロナ禍で「旅」は良くも悪くも注目を浴びる存在になりましたよね。Go Toトラベルキャンペーンで賛否両論あって、旅を生きがいにしている人にとっても、不要不急でしかない人にとっても、これまでになく考えるきっかけになった。旅が自由にしづらい今だからこそ、与えてくれたものの大切さに気付くし、好きな人にとってその重要性は高まったと思います。これから旅する人は、今まで以上に旅に目的意識を持つはず。大事に、丁寧に、考えるようになる。子供の頃に初めてした旅行のように、ひとつひとつの旅が、ずっと記憶に残るものになるのではないでしょうか。私自身、同じ場所を旅したとしても、感じ方が変わっているかもしれない。今後の旅では、そんな自分の中の変化も楽しみたいですね。
Profile
藤井利佳
藤井利佳
ミツバチワークス株式会社 取締役/GENIC編集長。会社創立メンバーとして参画し、ガールズブログサイト「Decolog」のディレクションのほか、 4都市で2万人を動員した「ガールズフリーマーケット!」のプロデュース、雑誌『女子カメラ』の監修及びリニューアルプランニングなど、多岐の分野にわたりそのクリエイティビティを発揮。2016年9月より雑誌『GENIC』の編集長に就任し、現在は『GENIC WEB』の編集長も兼任。「おいしい写真」をテーマにした最新号(2021年4月号)も絶賛発売中。
Present
Present
藤井さんが編集長をつとめる
旅を特集したGENIC1月号
5名様にプレゼント!
Present
雑誌紹介
総勢100人の旅を愛する方々にご登場いただいているGENIC1月号「旅特集」。100人の 「旅という表現」 を通して、「自分にとって旅とは何か」を見つけてみてほしいという思いが込められた1冊です。
応募は終了しました。
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