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リレーインタビュー旅人に聞いた、次の旅でしたいこと

リレーインタビュー旅人に聞いた、次の旅でしたいこと

清水直哉(shimizu_naoya)
Interview
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Vol.
4
Interview
Vol.
4
TABIPPO代表取締役
清水直哉さん
4人目のリレーインタビューは「旅で世界を、もっと素敵に。」をビジョンに掲げる株式会社TABIPPOを運営する清水直哉さんです。世界一周をきっかけにTABIPPOを創業し、今年で11年目。これまで一貫して「旅することの素晴らしさ」を伝えてきた清水さんに、今のコロナ禍はどのように映るのか、お聞きしました。
清水直哉(shimizu_naoya)_写真
企業アイデンティティやロゴを一新して迎えた2020年。
TABIPPOの清水さんは、コロナ禍でも前向きな未来を話してくれた。
「僕の人生を変えた世界一周。
旅する人が増えれば日本はもっと元気になる」
普段どんなお仕事をされているのか、自己紹介をお願いいたします。
「旅」を軸に6事業を展開するTABIPPOという会社で代表取締役を務めています。 メディア、マーケティング、イベント、キャリア、プロダクト、そして2020年からはエデュケーション事業をスタートさせましたが、すべては「旅を広める」ことを最終目標としています。また個人では、プロデューサーとして企業の悩み解決やリブランディングを担当させていただいたり、「なぜ旅が人の人生を豊かにするのか」などをテーマに、年間80本以上の講演活動をさせていただいたりしています。
清水直哉(shimizu_naoya)_写真
多様性溢れる現代に活躍できる人材を輩出するためのエデュケーション事業
「POOLO(ポーロ)」を2019年に立ち上げた。
そこまで旅に特化しているのはどうしてですか?
きっかけは11年前、僕自身の世界一周旅行です。旅する前の僕は部活でサッカー漬けの日々で、平凡な大学生でした。それが、旅先で感動や失敗を経験することで、視野や考え方が大きく広がり、成長することができた。でも周りを見渡すと海外旅行に行く人はまだまだ少なくて、日本におけるパスポートの取得率も23%とだいぶ低い。特に若い人が旅に出ないのは勿体無いと感じていて、「もっとたくさんの若者に旅をしてほしい」というシンプルな想いで、当時の世界一周のメンバーと一緒にTABIPPOを立ち上げました。
「若い僕らが下を向いてはいられない。
エネルギーとアイデアでコロナ禍でも前向きに」
仕事へのコロナの影響は大きかったのではないですか?
旅の仕事しかしていない会社なので、急に旅ができなくなって、大変な時期はありました。でも、もっと大規模で困っている会社がある中で、若い社員が多い僕らが立ち止まっているわけにはいかない。エネルギーとアイデアはあるので、率先して旅行業界を盛り上げて行こうと動き始めました。お金にならなくてもいいから無料でPRを引き受けたり、旅エッセイのコンテストを開催したりしながら、最近は国内旅行を中心に、少しずつ仕事として戻ってきた実感はあります。
清水直哉(shimizu_naoya)_写真
「#私たちは旅をやめられない」をテーマに、
海外旅行への思いをnoteに投稿するコンテストを関西国際空港と一緒に開催。
働き方はどのように変わりましたか?
働き方は変わったようで、実はあまり変わっていないんです。オフィスに行くことが激減したので、事務所は来年2月に解約します。ただ、もともと当社は「旅するように働き、旅するように生きる」を働き方の指針としていて、出社しなくていいし、勤務時間も自分で決めてOK。世間はコロナで働き方が激変したと言っていますが、僕らは多様性と主体性を尊重した社内制度を作っていたので、コロナ禍でもスムーズに対応することができました。
「旅行に行けないストレスの日々。
会社の仲間がいてくれて本当によかった」
旅行や出張にもなかなか行けない日々でした。どのように過ごされていましたか?
僕は毎年行っていたハワイ出張や、いよいよ初訪問で楽しみにしていたプライベートのオーストラリア旅行がキャンセルになって、心底がっかりしていました。緊急事態宣言以降しばらく国内旅行も控えていたので、変にストレスが溜まっていましたね。そんな中、会社のメンバーとは定期的に集まったり、Zoomでコミュニケーションしたりしていて、それが助けになったと思っています。今社員は17名いるのですが、こういうときに会社の仲間がいてくれて本当によかったです。
清水直哉(shimizu_naoya)_写真
毎年仕事でハワイへ行っていた清水さん。2020年は残念ながら渡航は叶わず。
写真は船から見たカウアイ島のナパリコースト。
清水さんの家での過ごし方は?
僕、カレーがめちゃくちゃ好きなんですよ。インドに行ったら3食カレーでも平気で、家には世界中から取り寄せたスパイスが30種類くらいあるほど(笑)。なので、家にいる間もひたすらカレーを研究して作っていました。あとビールはカレーとの相性が最高なので、海外のビールも買い込んできて、自宅にいながらスパイスとビールで世界旅行気分を満喫していました。
清水直哉(shimizu_naoya)_写真
清水さん特製の「チキンスパイスカレー」。
10種類以上のスパイスをブレンドさせて作った自信作。
「まずは積極的に国内旅行!
それができる環境は整っている」
今はどれくらい旅行をされていますか?
10月の「ツーリズムEXPOジャパン(沖縄開催)」に行く際に、久しぶりに飛行機に搭乗しました。やっぱり空港はいいですね。思ったより活気を感じることができたのと、あとコロナ対策が徹底されているのを実際に確認することができて、これなら安心だと思うことができました。少しずつ旅行できる雰囲気になってきたので、今後は密を避けるかたちで積極的に国内を旅行していきたいと思っています。仕事柄、いつも休みが取れると海外に行ってしまっていたので、今は日本を見るいい機会です。前述したとおり、当社の社員はどこで働いていてもいいので、みんなノマドワークやワーケーションを積極的に取り入れて、どんどん観光地の活性化に貢献していきたいですね。
清水直哉(shimizu_naoya)_写真
TABIPPO社員でのワーケーションの様子。
場所にとらわれずどこでも働くことができるのがTABIPPOの強みだ。
「気軽に行けるのに、圧倒的な非日常。
日本の旅はもっと面白くなる」
世界一周を経験した清水さんから見て、国内旅行の魅力は?
いや、見つめ直すといいところだらけだと思います。まず、無駄なストレスがない。ご飯も美味しいし、実は自然も素晴らしい。長野県の乗鞍高原ってご存知ですか?僕も今まで知らなかったのですが、温泉愛好家や登山家の間では有名な場所で、乗鞍スカイラインという山岳道路で約2700m地点まで車で登れるんです。これは車で行ける日本最高所だそうで、簡単に行けるのに、山頂付近から眺める星空や雲海は絶景。こうした気軽に非日常を感じられるスポットをもっともっと巡っていきたいと思っています。
清水直哉(shimizu_naoya)_写真
乗鞍高原の満天の星空。世界一周でいろいろな旅を経験してきた清水さんでも、
まだまだ国内で行きたい場所は尽きないそう。
「リアルな旅の価値は高まり、
自己投資に繋がる旅が増えていく」
今後「海外旅行」はどうなっていくと思いますか?
旅の価値が再定義されていくと思います。例えばバーチャルツアーやウェビナーなど、オンラインで旅に触れる機会は増えましたが、それは逆説的にオフラインで感じた時の感動を増幅させるものだと思っています。やっぱりリアルな体験って楽しい。ただし、「ただただ楽しいだけの旅」は厳しくなるのではないかとも思っています。これまでは「旅=レジャー」と解釈されてきましたが、Netflixやモバイルゲームなど、お金をたくさんかけなくても楽しめるレジャーの選択肢はますます増えていて、その観点だとレジャー目的だけの旅はコストパフォーマンスが悪い。これからは「旅=学び」だったり、ライフスタイルにプラスになるものだったりしないといけないかなと思っています。自分のためになる、自己投資になる旅行というのが今後増していくのではないかと思っています。
清水直哉(shimizu_naoya)_写真
ハワイでのサーフィン。海に浸かったときのひんやりした感覚や、
波に乗った感触など、やはりリアルな旅に勝るものはない。
「会いたい人に会えない
気づかせてくれたものは大きい」
今後行きたい海外旅行先を教えてください。
いっぱいあるんですけど、コロナで一番感じたのは「いつも会っていた人にも会えない寂しさ」だと思っていて。実家に帰れないけど帰りたいのと一緒で、「いつもいた場所に帰りたい」というのが本音です。そういう意味で、ハワイやタイは毎年仕事で行っていた場所なので、まずはそういうところに行って「ただいま!」と言いたい。もちろんキャンセルになったオーストラリアも諦めていません。リピート&リベンジ、どちらも楽しみです。
清水直哉(shimizu_naoya)_写真
タイでの社員集合写真。
「またTABIPPO社員全員で海外に行けるよう全力で頑張ります」と清水さんは力強く話してくれた。
「LCCも便利な関西国際空港は
社員の間でも人気です」
関西国際空港にまつわる思い出があれば聞かせてください。
僕、結構LCCを活用するので、関西国際空港まで夜行バスで行って、エアアジア(現在は就航なし)でハワイに行ったこともありますし、韓国のソウルへも関西国際空港発の格安航空券を見つけて行きました。若い人に優しいイメージがあって、TABIPPOの社員の間でも人気です。最近では「関空旅博」に出演させてもらったこともあり、僕にとっては思い出の多い空港。バスで橋を渡って行く、あの高揚感が大好きで、日本でも屈指の「旅のワクワク感」を感じさせてくれる空港だと思っています。
最後に、ひとことお願いします。
コロナ禍で旅行・観光業界は大打撃を受けていますが、僕らのような若い会社にこそできることがたくさんあると思っています。あまりネガティブにならず、旅の価値が再定義されていくポジティブな可能性を信じて、観光業界、旅人のみんなで頑張っていきたいです。
Profile
清水直哉
清水直哉
1988年群馬生まれ。株式会社TABIPPOの代表取締役。26歳で起業して、世界を旅する人を増やすことに挑戦中。メディア、フェス、モノづくり、学校、キャリア支援など、旅をコンセプトに事業を多角展開しながら、管理をせず、フラットでオープンな組織作りも実践。カレーとトマト、ビールとコーヒーが好き。
TABIPPO.NET https://tabippo.net/
Twitter @shiminao
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