KIXから世界のどこまでも。
〜関西国際空港から、いつか行きたい憧れの旅〜
Vol.5
Malta
地中海のマルタ共和国で、
極上リゾート体験
Edited by
伊澤 慶一(Keiichi Izawa)
2005年、海外旅行ガイドブック『地球の歩き方』を発行する出版社ダイヤモンド・ビッグ社に入社。編集部にてフランスやドイツ、香港、ロサンゼルス、ハワイなど世界中のガイドブックを制作。2017年に独立、クリエイティブ・ディレクターとして連載や動画ディレクション、トークイベントなど、幅広く旅行コンテンツを発信中。
Instagram
@izawakeiichi
公用語が英語のため、近年では
留学先としても人気が高い
地中海の小さな島国、マルタ。
首都ヴァレッタは街全体が世界遺産で、
その美しい街並みに目が行きがちだが、
もしマルタを旅するのであれば、
ぜひリゾートも満喫して欲しい。
最上の地中海バカンスが、ここにはある。
「ハニーカラー(蜂蜜色)」。
ほのかに色づいた街並みを、
マルタの人々はこう呼ぶそうだ。
この島の建物は、地元で産出される
「マルタストーン」という石灰岩で造られており、
統一された美しい景観と、空と海のコントラスト、
この絶景を楽しみにマルタを訪れる観光客は多い。
まずは旧市街から見ていこう。
歴史的・立地的に見ても、
マルタは興味深い国である。
イタリアのシチリア島とアフリカ大陸の間にあり、
貿易や軍事戦略上、重要だったこの島を
オスマン帝国が占領していたら
世界の歴史は変わっていたかもしれない。
1565年、オスマン帝国の大包囲戦に勝利した
マルタ騎士団は、それから1571年までに
今のヴァレッタの街並みの大半を造り上げたそうだ。
以来、景観はほとんど変わることなく
現在に至るという。
フェリーから眺める外観は、まさに要塞。
当時、最新鋭の建築技術で築いた
強固な外壁と、碁盤の目のように
整然とした美しい街並みは、
「ルネサンスの理想都市」と称された。
船で近づくにつれ、思わずため息が大きくなる。
だが、1798年にナポレオンが攻め入ると
マルタ騎士団は戦うことなく降伏。
200年におよぶ繁栄の時を経て、
マルタはすっかり平和な島へと変貌したのか。
そんな治安の良さもまた、観光客や留学生が
この島を選ぶ理由だろう。
今日、マルタの街なかを歩けば、
港で釣りに興じる人や日陰で寝転ぶ猫など
至るところでのどかな光景に出くわす。
さて、ひと通りの観光を終えたら、
リゾートを味わえるサン・ジュリアン地区へ。
ヴァレッタから車で10分ほど、
歴史を感じる旧市街とはガラリと変わり、
おしゃれなブティックホテルが立ち並ぶ、
華やかなエリアにやって来た。
特にスピノーラ湾沿いには、
雰囲気のいいレストランが軒を連ね、
シチリアも顔負けの絶品シーフードパスタを味わえる。
サン・ジュリアン地区を拠点に、
旧市街の歴史散策を終えたら
あとはホテルとレストランでのんびりが
マルタの粋な過ごし方なのだが、
「マルタでリゾート旅」を推す理由がもうひとつある。
それは、ヨーロッパでも1、2位を争うほどの
極上ビーチ体験だ。
世界中、色々ビーチを見てきたが、
マルタのビーチは5本の指に入る。
サン・ジュリアンから車で北へ1時間弱、
マルタ島北部には絶景ビーチが点在しており、
開放感あふれる「ビーチクラブ」が隣接し、
大型パラソルの下でカクテルを飲み、
お腹が空いたら素敵なレストランといった
スマートで快適なビーチ遊びが可能だ。
また、マルタ島とゴゾ島の間に浮かぶ
コミノ島のブルーラグーンは、
必ず足を運んでほしい。
マルファという小さな港からフェリーで30分弱。
ビーチクラブの前の海も相当綺麗だったが、
さらに明るいブルーへ輝きを増していく。
日によってブルーのグラデーション、
またエメラルドグリーンに見える時もある。
せっかくなので、高台に登って
ビーチ全体を見下ろして見てほしい。
ヴァレッタの要塞を見た時よりも
さらに大きなため息をついてしまう。
日によってブルーのグラデーション、
またエメラルドグリーンに見える時もある。
せっかくなので、高台に登って
ビーチ全体を見下ろして見てほしい。
ヴァレッタの要塞を見た時よりも
さらに大きなため息をついてしまう。
夏は座る場所もないくらい、
大賑わいを見せるコミノ島だが、
冬場はフェリーもなくなってしまう。
人口10人未満という、
田舎の閑散とした島になるのでご注意を。
2時間も滞在すれば十分だろう。
ビーチでこんがりと日焼けした肌を
風でクールダウンしながら、
フェリーでマルタ島へと戻ろう。
サマータイムを導入しているため、
マルタの夏は18時を過ぎてもまだまだ明るい。
20時を過ぎ、サン・ジュリアンに戻った頃、
ようやく空がオレンジ色に染まり始めた。
今夜もまた、賑わい出すレストラン
マルタストーンの美しい街並みを眺めつつ、
キンと冷えた白ワインで1日を締めくくる。
そんな最高のバカンスを
夏のマルタで過ごしてみてはどうだろう。
【マルタの基本情報】
・正式国名
マルタ共和国(Republic of Malta)
・首都
ヴァレッタ(Valletta)
・通貨
ユーロ
・言語
英語
マルタ語
・ベストシーズン
年間を通じて穏やかな気候だが、リゾート目的であれば、6,7,8月がベストシーズン。晴天が続き、日中の気温は30度を超えるが、典型的な地中海性気候のためカラっとしているので、日陰に入れば過ごしやすい。ただし、この時期はヨーロッパ中から観光客が押し寄せ、ホテル代も年間を通じて一番高くなるため、旧市街観光がメインであれば、敢えて外すのも賢い選択だ。
・時差
日本との時差は-8時間。日本が13時のとき、マルタは5時。3月の最終日曜日から10月の最終日曜日まではサマータイムを導入しており、日本との時差は-7時間。
・ビザ
不要