KIXから世界のどこまでも。
〜関西国際空港から、いつか行きたい憧れの旅〜
Vol.2
Greece
サントリーニだけじゃない、
ギリシャの美しい島
Edited by
伊澤 慶一(Keiichi Izawa)
2005年、海外旅行ガイドブック『地球の歩き方』を発行する出版社ダイヤモンド・ビッグ社に入社。編集部にてフランスやドイツ、香港、ロサンゼルス、ハワイなど世界中のガイドブックを制作。2017年に独立、クリエイティブ・ディレクターとして連載や動画ディレクション、トークイベントなど、幅広く旅行コンテンツを発信中。
Instagram
@izawakeiichi
「ギリシャの島々」といえば、
間違いなく9割以上の人が
エーゲ海を思い浮かべるだろう。
急斜面に白い家々が連なるサントリーニ島、
海岸線に並ぶ風車が美しいミコノス島。
どちらも欧州で人気のバカンス地だが、
ギリシャには絶景の島がまだまだ多く存在する。
中でもおすすめなのが、
イオニア海のザキントスという島だ。
どちらも聞きなれない、
呪文のような響きだが、
エーゲ海とはギリシャ本土を挟んだ反対側、
イタリアとの間に広がる
地中海の一部に浮かぶ島。
アクセスはアテネからの国内線が一般的だ。
島には学校の校舎のように小さな空港がひとつ。
関西国際空港からは
最低でも2回、乗り継ぎが必要になる。
まず欧州やアジアの都市で乗り換え、
ギリシャの首都アテネへ向かい、
そこから国内線でザキントス、が一般的だ。
行きづらい場所ではあるが、
この島の「ナヴァイオ・ビーチ」は
はるばる訪れる価値ほどの唯一無二な光景。
事実、この島に訪れる観光客の多くが
必ず足を運ぶ場所である。
ちなみにザキントス島の人口は4万人程度。
最大の町ザキントス・タウンでさえ
見どころや、ラグジュアリーなホテルはなく、
他のギリシャの島の光景と特に変わらない。
この島唯一にして最大の見どころがビーチツアー。
「ナヴァイオ」とはギリシャ語で難破船を意味し、
英語で同じ意味の「シップレック・ビーチ」でも通じている。
そこに広がるのは
三方が崖、一方が海に囲まれ、
完全に孤立した入り江に、
一隻の難破船が佇むフォトジェニックな光景。
陸路でのアクセスは不可能で、
船でしか辿り着けないというロケーションもまた、
ワクワク感を高めてくれる。
ビーチまではホテル送迎付きの1日ツアーか、
もしくは北部のアギオス・ニコラオス港まで足を運び
ボートツアーに参加する。
出港早々、切り立った崖が連続するダイナミックな光景は
思わず見入ってしまうほどの迫力である。
途中、ボートは船ごと入れる青の洞窟へも立ち寄る。
カプリ島(イタリア)やビシェボ島(クロアチア)のそれと
比較してしまうとがっかりするが、
まああくまでこれは前座。
スイミングタイムも挟みながら、
船はいよいよナヴァイオ・ビーチへと近づいていく。
遠くに見えたナヴァイオ・ビーチは、
まるで劇場の舞台のようにキラキラと輝いて見えた。
入り江には石灰質の海底が広がっているため、
陽が差し込むとブルーキュラソーのように美しい。
クリアなブルー、真っ白な砂浜、
そして鉄の塊のごとく鎮座する難破船。
異様な光景であるのは間違いないが、
初めてなのに、どこかで既視感がある気がするのは、
ここが映画『紅の豚』でポルコが秘密基地としていた
ビーチと似ているからかもしれない。
遠くに見えたナヴァイオ・ビーチは、
まるで劇場の舞台のようにキラキラと輝いて見えた。
入り江には石灰質の海底が広がっているため、
陽が差し込むとブルーキュラソーのように美しい。
クリアなブルー、真っ白な砂浜、
そして鉄の塊のごとく鎮座する難破船。
異様な光景であるのは間違いないが、
初めてなのに、どこかで既視感がある気がするのは、
ここが映画『紅の豚』でポルコが秘密基地としていた
ビーチと似ているからかもしれない。
この難破船、かつてはタバコの密輸船で、
嵐に巻き込まれたか、警備隊に追われたとかで
こちらの入り江に逃げ込んだそう。
座礁して以来、
ここは別名「密輸者の入り江」とも呼ばれているらしい。
なるほど、ポルコがここを秘密基地にしていたのは
そうした由来もあったのか!
あまりおすすめはできないが、
ボロボロの難破船は内部に侵入可能。
海賊船、ではないけれど冒険気分を味わいたい方はぜひ。
もともとは誰も寄り付かない
断崖絶壁に囲まれた無人ビーチ。
そこに、たまたま難破船が漂流したことで
一躍人気となった、なんとも不思議な観光地である。
タバコの密輸船という設定もまた、
自分が映画のワンシーンにいるような
ドラマチックな錯覚をもたらせてくれる。
難破船を横に、周囲を見渡した時の非現実感を
ぜひ自分の目で確かめて欲しい。
【ギリシャの基本情報】
・正式国名
ギリシャ共和国(Hellenic Republic)
・首都
アテネ(Athens)
・通貨
ユーロ
・言語
ギリシャ語
・ベストシーズン
イオニア海、エーゲ海の島々や沿岸は5〜10月が観光シーズン。特に7,8月は雨も少なく、気温はあがるが湿度が低いため過ごしやすい。逆に上記以外のシーズンはホテルが休みになったり、定期船やツアーが運休したりと、観光には不向きなことも。
・時差
日本との時差は-7時間。日本が13時のとき、ギリシャは6時。3月の最終日曜日から10月の最終日曜日まではサマータイムを導入しており、日本との時差は-6時間。
・ビザ
不要